配達員はなぜ不在に怒るのか?皆が思っているより配達業の大変さを書き連ねる

日本の血流ともいわれる運送業。私は大手配達会社に6年、トラックの横乗りを2年、自転車で配達を4年やっていました。

そして運送業の中でも配達業は本当に精神面と肉体面が辛いです。

Amazonの配達員などが荷物の扱いが酷くてニュースになっていたりしますよね。

私からするととても気持ちがわかるのです。

配達するだけが仕事だと思っていませんか?

実は全く違うのです。命にも関わるほど大変な仕事です。

ではどれぐらい大変か書いていきます。

時間

配達業は常に時間に追われています。時間指定が大きな理由です。

ヤマト宅急便には普通の時間指定以外にもタイムサービスという10時までに配達しなければいけない荷物があります。

歯医者などが主に利用します。これに加え配達だけではなく、集荷にも時間指定があります。

時間指定が無ければ何倍もの速さで仕事が終わるでしょうし、こんなにブラックでは無いでしょう。

なぜなら時間指定があることにより、端から順番に配達ができず、コースを強引に決めて、午前中指定が終わったらまた端から指定無しをやっていって…などとにかく効率が悪くなるのです。

私の地域は田舎なので、トラック運転手一人当たりA4サイズの地図が8枚ほどあります。

自転車の私は4、5枚ほど。

これにより移動時間もかかるのです。

個人に対し1時間軒30件配達できれば十分でしょう。

むしろ30件だけなの?と思うかもしれませんが、インターホンを鳴らして、受け取りor不在をきる、そして移動、荷物を取り出す、電話が来たら対応する、メール便もネコポスもやる…と色んな工程があるんです。

この時間までに荷物持ってきてなど当たり前のように言われるとイラっときます。

時間指定しておいて不在なら荷物をぶん投げたくもなります。

近くに川が流れていれば川に放りなげたいです。

会社に納品する際も、部署によって電話をして呼び出したり、納品場所が変わるからまた移動したり…

宅配ボックスに入れたり、エレベーターのついてないマンション。

本当に時間泥棒が多いのです。

電話対応なんてもっと時間がかかります。

配達だけの仕事ならどれだけ楽か…

肉体的疲労

それにトラックの乗り降りを繰り返せば骨盤も歪んできます。

重い荷物も持ちますので腰も痛めます。

台車は楽なように見えて楽ではありません。

中腰になるので腰を痛めます。

”30㎏の米や”水25㎏を2つ”をエレベーターの無いマンションの最上階(5F)まで持ち上げたことはありますか?

地獄ですよ。不在に関しては一応電話するので持っていくかどうかを決めますが、どの道登ってインターホン押して不在票を入れなければいけません。

階段の上り下りなんて本当に体にひびきます。

また天気にも大きく左右されます。

私は自転車でしたが、雨の日でも、雪の日でも、ましてや台風の日でも自転車で配達をしていました。

会社は何を考えているんでしょうか。

精神的疲労

恐らく肉体的よりも遥かにダメージのが大きいのがこちら。

上で書いた時間の他にも沢山あります。

まず運転面

とにかく神経を使います。事故を起こせば、会社に怒られるよりもまず自分の命や相手の命を失う可能性だってあります。

皆さんも運転してて周りの車にイライラしたことありますよね?

その機会が配達業者は沢山あるんです。

自分は悪くないのに、10:0にならない理不尽な事故。

これなんてもう会社に怒られるわで最悪です。

他にも問題視されているのはトラックの自走事故です。

実際にあった事故では、自走したトラックを止めようとドアを開けたところ電柱とドアに挟まれ死亡された運転手もいます。

雪の日の夜、止めたトラックが滑って止めようとして下敷きになって死亡。通りがかった人が血だまりになっているのに気づきました。

こういう事故もあるんです。簡単に人を殺せるものを扱っているのでそれだけ集中しないといけません。

だから冒頭にも書いた通り命にもかかわっているのです。

次に接客面

色んな人に配達するということはそれだけ色んな人と出会うわけです。

頭がおかしい人に当たったらもう最悪です。

私はヤクザまがいのチンピラに喧嘩売ったことがあります。まぁ大変でした。

意外と多いのが、インターホンに気づかない人。

インターホン押した?と聞いてくる人がいますが、押してます。

むしろ自分の首を絞めることになるのに押さない理由があるかよと。

強く押さないといけなかったり、壊れていたりするものもあります。

インターホンをしつこく押すとクレームをもらう可能性もあるので何回も押せないんです。

クレーム貰ったら反省文を書かないといけないので本当にめんどくさい。

私たちも人間です。

気持ちのいい接客をして欲しかったら、あなたも感じよく接してください。

これはどこにでも言えることです。

次は会社に対する

まぁ会社は馬鹿なんですよ。現場について何もわかってないんです。

なぜならデータしか見てないから。

過程を見ていないんです。

特にヤマトでは機材を大きく変えた時がありました。

この機材がまた馬鹿なんです。

フリーズするし、立ちなおしには10分以上かかるし、電池がすぐなくなるし、すぐ熱くなって使い物にならなくなったりなど本当に頭のおかしい機材のせいで作業効率が大きく落ちました。

その中でも”ルート組み”という自動で配達のルートを組んでくれるという何とも画期的な機能があるのですが、これもまた使い物になりません。

地図に載ってない建物だってあるし、ルートぐちゃぐちゃだし、マジで無駄な機能なんです。

でも会社はこれを絶対に使えと言って強制的に使わせ、使っているかどうかそのデータを見るという

なんでそんなところにお金と力をかけてるの?と言いたくなるほど会社が馬鹿なんです。

社員を大切にする、働きやすい環境を整える。なんて考えは全くありません。データがすべてです。

あと人間関係なんて言うまでもありませんよね。

なぜこっちを手伝ってくれないのかとか、上司が馬鹿とか

本当地獄ですよ。人間関係。

癒し

色々と不満を書いていきましたが、嫌な事ばかりではなく、ちゃんと癒しだってあるんです。

お客さんやお店から、飲み物やお菓子をもらったりします。

タケノコや、新鮮な野菜、本当に良いものを頂いたりするんです。

なので配達自体は意外と楽しかったりするんですよね。

ましてや仕事を紹介してもらって転職した人もいます。

こういった癒しも仕事には必要ですよね。